金融商品取引法における内部統制強化に関する制度

日本における財務ディスクロージャー制度の改革は、アメリカ版SOX法のように新たな法律を策定するのではなく、証券取引法の改正として法制化されました。証券取引法の改正は、内部統制の強化だけではなく、投資家ほどのために各種金融業法を横断的に一本化した法律として、「金融商品取引法」に改題して実施されました。

また、金融商品取引法に基づく財務報告にかかる内部統制の評価・報告及び監査のためのガイドラインとして実施基準が策定されました。これらによって実現される制度が、一般的に「日本版SOX法」と呼ばれているものです。

アメリカ版と日本版の違いは?

日本版SOX法における内部統制の評価・報告および監査のスキームは、先行事例であるアメリカ版SOX法におけるスキームと共通の類似点があります。しかし、アメリカではその対応に莫大な費用負担と労力が必要であるという問題点が指摘されていたため、日本SOX法ではそのすべてを模範せずに以下に挙げるような独自の改良を加えました。これらによって内部統制評価・報告及び監査の対応費用が節減され、効果的に実施できるようになったのです。

トップダウンリスクアプローチを採用
内部統制を評価するためには、組織や業務に組み込まれている統制を識別し、それらが有効に機能しているかどうかを評価する必要があります。これらの統制を評価する方法としては、「ベースラインアプローチ」と「リスクアプローチ」の2つあります。

ベースラインアプローチはチェックシートに掲載された項目を「○」「×」等で評価する方法です。会社の特質等を考慮せずに機械的に項目を並べるので、多くの項目を用意しておかないと重要な統制を見落としてしまう可能性があります。

これに対して、リスクアプローチは会社の内外の環境から重要なリスクを絞り、それに対する統制を識別するので統制として識別項目は少なくなります。これを計目的からトップダウン的に実施すれば、非常に合理的な評価を行なうことができるため、日本版SOX法ではこの手法を採用しています。

直接評価の不採用
アメリカでは、監査人が直接、内部統制の有効性を検証し意見表明をする必要がありました。これを直接評価(ダイレクトレポーティング)といいますが、この手法は監査においてすべての取引が検証の対象となり監査人に膨大な負担がかかるという欠点がありました。。

そこで、日本版SOX法ではこの直接評価を採用せずに、監査人は経営者が作成した「内部統制報告書」の内容についてのみ監査を実施することにしました。

不備の区分
内部統制に問題がある場合を「不備」といいます、アメリカ版では不備を3段階に分類するように求めていたのに対し、日本版では2区分(「不備」と「重要な欠陥」)で分類するように求めています。これは3区分にすると評価が煩雑になるうえ、それに見合う効果があまり期待できないという判断からです。

同一監査人による一体的実施
内部統制監査と財務諸表監査は重複する部分が多いにも関わらず、アメリカではそれぞれを異なる監査人によって実施することが多かったため、そのコストが問題となっていました。日本版SOX法ではこれを同一の監査人が実施することにより、監査費用が節減できるようになりました。

外部監査人と監査役・内部監査人との連携
日本版SOX法では、内部監査人の業務を利用することにより効率的な内部監査が実施されることを期待しています。しかし、実際には内部監査自体が内部統制のプロセスの一部ですので、その利用には外部監査人による高度な判断が要求されます。

企業会計と情報開示、コーポレートガバナンスをめぐる問題を改善し、市場への信頼を回復させるために、内部統制の枠組みが法律的な制度(SOX法と新会社法)に導入されました。これを受けて内部統制・SOX法の求人の募集が増えており、企業の内部統制部門やコンサルタント企業における、CIA(公認内部監査人)やCISA(公認情報システム監査人)、CFE(公認不正検査士)の資格取得者への期待が高まっています。

企業会計審議会:金融庁
民間機関による企業会計基準の整備における主体的な役割を担う金融庁内の審議会です。「財務報告にかかる内部統制の評価及び監査の基準案」を発表しています。

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